読めば寿司屋通!?寿司屋の符丁(隠語)にはどんなものがあるのかまとめてみた。その②

こんにちは。現役寿司職人の、ゆうさくです。

以前、寿司屋の符丁についてまとめてみましたが、今回はその第二弾となります。

前回は、ア行とカ行の符丁についてまとめ、実際に寿司屋でどのくらい、どのように使われているのかをそれぞれの語句についてコメントを加えていきました。

今回は、サ行の符丁についてまとめて、気づいたことを付け加えています。

それでは、行ってみましょう!

※参考文献「[新装改訂版]現代すし学 Sushiology −すしの歴史とすしの今がわかる−」

寿司屋の符丁・サ行

・さくどり…マグロなどの身をすしダネにするべく長方形に切ること。

「さくどりする」という動詞で使われますが、そのほかにも、「さく」という名詞で使われることも多いです。「冷凍マグロの3番のサク溶かしといて!」などと頼まれます。

スーパーなどでも「さく」で売っていることが多いですよね。そのまま切って刺身にできるので、一般家庭の調理にはとても便利です。

・さらし…カウンター席のこと。人波にさらされることから。

これはあまり馴染みのない符丁でしたが、寿司の雑誌を読んでいて、「寿司職人は、『さらしの職人』である。」という文章が書いてあるのを読んだ記憶があります。常に人の前で仕事をしているので、「さらしの職人」というのでしょう。

・さがや…おぼろのこと。”さがやおぼろの花吹雪”の歌からしゃれたもの。

これは現場では聞いたことがないです。直接的な表現を避けて、歌の語句から、その歌に入っている語句を連想させるというのは日本的な表現だと思います。

・仕事…すしダネを酢でしめたり、茹でたり、煮詰めを塗ったり、様々に手を加えることをいう。

僕の出身地の北海道の田舎では、寿司ネタはあまり「仕事」をしないで、素材そのままの味で勝負するという寿司屋さんが多いです。海老も茹でない、酢でしめたりもあまりしないイメージがあります。

それに比べて、東京の江戸前寿司は、何かしら手を加えて、「仕事」をして寿司を出しますよね。酢締めした小肌、煮た穴子、煮た蛤などなど、生でそのまま出すことはあまりない気がします。北海道の新鮮なネタはそのまま食べてもおいしんですけど、「仕事」をした寿司を食べると、それぞれの職人の特徴が現れて面白いですよね。

・しめる…生きている魚を死なすこと。これには、「生けじめ」と「のじめ」がある。その他、魚の肉を塩でしめる、酢でしめるなどともいう。

「生けじめ」は、活きている状態の魚の急所を包丁で刺すなどして、短時間で殺し、血抜きなどをして鮮度を保つしめ方です。これは、なんとなく寿司屋で働く前から知っていましたが、「のじめ」については聞いたことがありませんでした。

「のじめ」とは、大辞林によれば、

① 野外で捕らえた鳥獣をその場で殺すこと。また、そのもの。 

② 生け簀すで飼ったものではなく、川や海で取ってその場で殺した魚

とされていますが、現場で板長さんが使っていた意味は、「捕獲した後、自然に死んでしまった魚」という意味で「のじめ」を使っていました。「生けじめ」の対義語として考えると、この意味の方が合っていると思います。

・しゃり…米飯のこと。色が白く、仏陀の遺骨「舎利」に似ていることから名付けられた。

「しゃり」は、符丁とは言えないレベルに一般に浸透している気がします。真っ白で炊きたての光った酢飯のことを、「銀シャリ」と行ったりしますよね。

ただし、「銀シャリ」になるのは、白酢で炊いた場合です。うちの店のように、伝統的な江戸前寿司を提供している店は、赤酢を使っていることが多いので、「銀シャリ」にはなりません…。

白酢を合わせて、あっさりとした味の綺麗な「銀シャリ」で握るのか、赤酢を合わせて、見た目はちょっと色がついているけど、味わい深いシャリで握るのか。その店の特徴が出ますよね。

・陣笠…椎茸のこと。似ていることから。

これは現場で聞いたことがないです。まあ、確かに似ているけど…。キノコは大体似ているんじゃないか…?

乾燥した椎茸を水で戻して、甘く煮た椎茸は、うちの店では太巻きやチラシに入っています。嫌いな人が結構多い食材ですよね。僕は大好きです。

・シンコ…コノシロの幼魚で5〜12cmの魚のこと。成長するとコハダ→ナカズミ→コノシロと呼ばれる。

コハダは江戸前寿司のネタの代表格といえるものですが、コハダのさらに小さいものをシンコ(新子)といいます。夏から秋口にかけて出てきますが、出始めのシンコは1キロで数万円することもありますから、驚きです。

それでも需要があるから、獲る漁師さんもいるんでしょうけど…。一貫数千円になってしまいますね。

仕込みをする立場としては、大量のシンコをさばくのは、手間がかかります。小さいけど、手順は大きいものとほとんど一緒なので、数が多いぶん時間がかかります。大きさによりますが、一貫に何匹も使いますしね。シンコが大量に入った時、メインで仕込みをしている板長さんは大変そうです。

でも、コハダやシンコの仕込みは、その店の仕事のレベルを見られますから、さばくのはもちろん、塩や酢でしめる時間も、気合を入れて臨んでいます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、サ行寿司屋の符丁をまとめました。知っているものもあれば、知らないものもあったと思います。

また、現場で聞いたり思ったりしたことも付け加えて書いていますので、寿司好きな人にとっては、面白い話もあっただろうと思います。

次回はタ行以降の寿司屋の符丁を、読めば寿司ツウ!?寿司屋の符丁(隠語)についてまとめてみた。その③でまとめていきます。

それでは!

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