読めば寿司屋通!?寿司屋の符丁(隠語)にはどんなものがあるのかまとめてみた。その③

こんにちは。脱サラ寿司職人のゆうさくです。

寿司屋の符丁シリーズ第三弾です。

第一、第二段ではア行からサ行までの符丁について、寿司屋で働いている者の目線から、使用場面や思ったことをまとめてきました。

今回はタ行・ナ行の符丁について見ていこうと思います。

それではいってみましょう!

参考文献:「新装改訂版 現代すし学 -すしの歴史とすしの今がわかる-」(大川智彦著)

タ行・ナ行の符丁

・立ち・お立ち…昔は屋台でも店内でも板前は座ってすしを握っていたので、お客をこう呼んだ。現在でもカウンターの客を名残で”立ちの客”ということがある。

参考文献の定義を見る限り、昔の屋台では板前が座って握っていたのに対して、客が立って食べていたから「立ちの客」と呼んでいた、という解釈でいいのでしょうか。この定義だけだと、客が立って食べていたとは書いていないので、はっきりとはわかりません。

現場だと、お客さんはみんな座って食べているので、「立ちの客」というのは、個人的には違和感を感じます。使っているのも聞いたことがないです。

・たてる…酢取ってある魚を重ねるようにそろえて、酢の切れるように立てかけて入れたのを、たてるという。

うちの店では、コハダやサバ、カスゴなどを塩と酢で〆たあと、ザルに並べて馴染ませておくのですが、その際にザルを立てかけておきます。その状態のことを指していると思われます。冷蔵庫のスペースの関係で、ただ受け皿の上に置いておくこともありますが…。

・つけ場…すし屋の調理場のことで、魚をつけた場所から由来している。現在ではすしを握る職人の立つ場所をいう。

参考文献の定義をそのまま引用していますが、「魚をつけた」とは、「漬けた」という意味であっているのでしょうか?

個人的には、魚のサクから一カン分のネタを切るときに、「切りつける」という表現をするので、「切りつけをする場所」だから「つけ場」というのかな〜と思っていました。どっちの意味なんでしょう?

・つけ台…すし職人が握ったすしを置く、カウンター席の前の部分。

つけ台はよく使う単語ですね。「つけ台拭いておいて!」とか。うちの店の場合は、木製で漆塗りの長いつけ台を使っています。結構高価なものなので、扱いには気をつけています。

最近の鮨屋さんだと、長い物ではなくて、片手で扱える軽いものとか、お皿だったりすることもありますよね。それはそれで、手入れしやすいし、いいと思います。両方に良さがあると思います。

・手酢…すしを握る際、飯がべとつかないよう、指先につける酢のこと。

もう少し説明を加えると、シャリに使っているお酢を水で3〜4倍に薄めたものです。シャリが手にくっつかないようにする効果と、酢なので殺菌効果もあります。

ただし、手酢をつけすぎるとシャリがパラパラになってまとまらなくなったり、ベトベトになったりするので、注意が必要です。

よく板前さんが握る前に手をポンっと叩く動作をしますが、あれは手酢を手のひら全体に散らせるための動作です。自然にできれば格好いいですよね。ただし、何事もやりすぎは厳禁かと。

・ツマ(ケン)…刺身等にそえるときに使う大根を薄く細かく切ったもの。

「錦づま」という一品です。大根の他に、人参・きゅうり・カボチャなどを桂むきし、刻みます。

大根の桂むきをしたものを重ねて、1ミリ幅くらいで刻んでいくとツマができます。ツマは用途によって「縦ケン」、「横ケン」と使い分けます。

「縦ケン」は、大根の繊維に並行に刻んでいくツマのことを指します。縦ケンは繊維がそのまま活きているので、シャキッとした食感になります。弾力が強いので、添えるときに立体感を持たせたい時などに使えます。

「横ケン」は、大根の繊維に垂直に刻んでいくツマのことを指します。繊維を切っていくので、柔らかくなります。曲げてまとめたりする場合はこちらの方が使いやすいです。

・鉄火巻…マグロの赤身を芯にした海苔巻のこと。昔、賭博場を鉄火場といい、賭博をうちながらでも食べやすいように作ったことの由来する。

鉄火巻の芯がマグロなのは、もう一般的になっていますが、賭博場(鉄火場)で食べやすいように作ったのが由来とは知らなかったです。てっきり、マグロの身が赤くて熱した鉄のようだからだと思っていました。

・鉄砲…外観が鉄砲のような”細巻”のすしのこと。

現場では聞いたことがないですね。確かに細巻きは黒い鉄砲の銃身に似てるかも。

・なみだ…ワサビのこと。「サビ」ともいう。

会話で使うことはありませんが、店のメニューに「なみだ巻」というのがあり、それが大量にワサビを使うので、「なみだ」=「ワサビ」ということは知っていました。

大量のワサビと大トロ、最高の組み合わせですね!

・煮ツメ(ツメ)…穴子などの煮汁は醤油や味醂で味がついており、この煮汁を煮詰めたもの。アナゴ、シャコなどの上に塗る。

「ツメ」が主に使われるタネは、参考文献に書いてあるように、穴子・シャコあとは茹でダコでしょうか。

アナゴの煮汁に、醤油、酒、砂糖を混ぜたものを火にかけて煮詰めていくのですが、火加減を間違うと、あっという間に焦げてしまうので、注意が必要です。

最初は水分を飛ばすために、強火で煮詰めていくのですが、徐々に弱火にしていかないといけません。ただし、焦げる心配をして弱火でやっても時間がものすごくかかるので、ギリギリのラインを攻めます。最後に少し冷ましてトロみを確認して完成です。

・野じめ …漁場でしめる(殺す)こと。反対は”活け物”で生きたまま送られ、問屋に並ぶ魚介類をいう。

寿司屋の符丁その①の記事で、「活けじめ」について書いた際に触れたと思いますが、現場だと参考文献の定義の意味では使っていません。

どちらかというと、「水揚げした後、勝手に死んでしまった魚」という意味で使われています。なので、野じめは活けじめより鮮度が低い、というイメージがあります。

まとめ

寿司屋の符丁第三弾、いかがでしたでしょうか?

今回はタ行とナ行の符丁についてまとめてみました。

次回は、ハ行以降の符丁について、読めば寿司ツウ!?寿司屋の符丁(隠語)についてまとめてみた。その④でまとめようと思います。符丁シリーズ最後になるかと思います。お楽しみに!

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