読めば寿司屋通!?寿司屋の符丁(隠語)についてまとめてみた。その④

こんにちは。30代から寿司職人になったゆうさくです。

寿司屋の符丁シリーズ第四弾です。

第三弾ではタ行・ナ行の符丁について、現役寿司職人の目線から、使用場面や感想をまとめてきました。

今回は、ハ行以降の符丁について見ていこうと思います。それではいってみましょう!

寿司屋の符丁シリーズその①その②その③をまだ読んでいない方は、こちらから。

参考文献:「新装改訂版 現代すし学 -すしの歴史とすしの今がわかる-」(大川智彦著)

ハ行の符丁

・バッテラ…関西名物のサバの押しずしのこと。当初はボートのような舟形をしており、これをポルトガル語で”バッテラ”ということからこういわれた。

バッテラは結構普及している印象です。僕の店の親方は、関西で修行していたそうで、たまにバッテラ(サバの押し寿司)を作ってくれます。美味しいんだこれが…。

デパ地下なんかでも見かけますよね。押し寿司は、握りずしと違ったおいしさがあって好きです。”慣れている”というか、ネタと寿司が時間が経って一体化するという感じがします。

・光り物…コハダ・アジ・サバ・イワシ・サヨリ・サンマなどの背皮の光った魚のこと。

参考文献の説明のとおり、皮が銀色に光った類の魚を「光り物」といいます。全般的に小魚が多く、足が早い魚が多い印象です。イワシやサバなんかは特にそうですよね。

足が早いこともあって、生ではほとんど提供しないです。酢と塩で〆て握りやつまみに出すことがほとんどだと思います。

特にコハダは各お店で塩と酢の〆具合が違うので、職人の腕の見せ所だとよく言われます。

蛇足ですが、寿司ネタ以外では使われないようですねコハダは。なんでも、焼いたら火葬場の匂い(人を焼いた匂い)がするとかしないとか…。焼いたことないので、わかりませんけど。

サヨリは光り物にしては淡白な魚ですけど、以前親方が昆布締めにしていたのを食べさせてもらった時に、とても美味しくて感動した覚えがあります。自分で店を出したら、使ってみたいですね。

・ヒモ…アカ貝などの2枚貝の殻の内側に筋肉のような部分のこと。すしダネとしては身と分けて出される。

「ヒモ」は、「ヒモきゅう(赤貝ヒモときゅうりの細巻き)」で普段から使われますね。あと、店ではホッキ貝やミル貝のヒモを串焼きにしてつまみで出したり、湯霜して刻んで茶碗蒸しの具に入れたりしています。うまみが出て茶碗蒸しが美味しくなるんですよね〜。

一方、トリ貝、平貝のヒモは使わないで捨ててます。理由は不明です。処理に手間がかかるからかな?食べれないことはないと思いますけども…。

・吹き寄せ…ちらし丼に、すしダネをそろえて並べること。

これは、店に入ってから「吹き寄せちらし」という裏メニューがあることを聞いて、初めて知りました。

他の寿司屋のメニューで見たことも聞いたこともないです。昔からやっている老舗寿司屋では、よく作っていたのでしょうか。

裏メニューと言いましたが、メニューなんかない寿司屋ですので、今となっては、存在を知っている昔のお客さんしか頼まないメニューと化しています。

イメージとしては、ちらしのシャリ部分と上に盛り込むネタ部分が別々になっているというイメージです。

参考文献の説明と食い違う部分がある気がしますが、僕の知っている吹き寄せちらしは、そんな感じです。

マ行の符丁

・丸付け(姿づけ)…魚一匹をそのまま握ること。半身を握ると”半身付け”という。

丸付けという言い方は聞いたことがありませんでしたが、シンコが出回るようになると、”シンコの○枚付け”という言い方を聞くようになります。

丸付けの魚というと、春子鯛(カスゴダイ)なんかが当てはまりますね。カスゴが大量に入ってきたときの絶望感…。わかりますかね笑。仕込みが大変なんだこれが。さばいて、湯霜して、塩して、酢で〆て、昆布〆しなきゃいけませんから。

・宮島…しゃもじのこと。宮島名物であることからこう呼ばれている。

宮島は、店ではシャリ切りの時やアナゴを煮汁から上げる時に使っています。

・むらさき…醤油のこと。昔の醤油の色が紫がかっていたことからいわれた名前。

これは結構浸透してきた符丁でしょうか。刺身用の醤油を「さしむら」と言ったりしますね。

お客さん側にも浸透してきたとは言っても、お客さんが「むらさきください。」というのは不自然な感じがしますので、使わないほうが無難です。あくまで店側の符丁ということで。

・メジ…クロマグロの若い魚。10〜20kgぐらいのものをいう。

クロマグロ(本マグロ)の幼魚をメジマグロといいます。僕は一度くらいしか食べたことがないですが、柔らかくて脂が乗っていてとても美味しかった記憶があります。関西でや「ヨコワ」とも呼ぶみたいですね。

ヤ行の符丁

・やま…化粧笹に使う笹の葉のこと。山で採れることから名付けられた。品切れの意味でもよく使われる。

現場では、「品切れ」の方の意味でよく使います。「今出ている分で最後」という場合、「でやま」と言っています。「奈良漬け、でやまです。」みたいな感じで使います。在庫がないことを伝えておかないと、あとで困りますからね。

まとめ

寿司屋の符丁、第四弾、いかがでしたでしょうか?今回はハ行以降の符丁についてでした。

参考文献に紹介されている符丁の中で、現場でよく使うものをア行からピックアップして紹介してきました。これで一通りとなります。

「これは聞いたことないな?」「これはもうみんな知っているでしょう」というのはあえて取り上げませんでしたが、まだまだ符丁はあると思いますので、今後も追加で紹介していきたいと思います。

それではまた!

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*


CAPTCHA