寿司の基本を学べる、寿司職人におすすめの本。その①「鮨のすべて 銀座久兵衛 変わらぬ技と新しい仕事」(今田洋輔著)

こんばんは、30代から修行を始めた鮨職人のゆうさくです。

今回の記事は、これから寿司職人になりたい人、寿司屋の修行を始めて日が浅い人におすすめの本を紹介します。

第一弾は、「鮨のすべて 銀座久兵衛 変わらぬ技と新しい仕事」(今田洋輔著)です。

銀座久兵衛さんと言えば、言わずと知れた銀座の名店ですね。著者の今田さんは、二代目になります。その二代目が、身だしなみや所作から、それぞれのネタの仕込み、寿司の握り方、ちらしや巻き物の作り方、刺身の盛り付けまで、寿司に関することを網羅的に書いた本です。

先ほど寿司職人になりたい人、修行を始めて日が浅い人におすすめと書きましたが、キャリアの長い板前さんでも、勉強になることがたくさん書いてあると思います。

そんな本書ですが、僕が一読して、特に印象に残った部分を取り上げてみたいと思います。

それでは、行ってみましょう!

板前としての役割とは

第一章に鮨の基本が書かれていますが、その前に板前の役割や経営理念などについて書かれています。その中で印象に残った文章を少し引用してみます。

鮨店の板前が備えておくべき条件として、

1 しっかりした料理をつくれる「料理人」であること。

2 お客さま一人ひとりのご注文とお会計が常に頭に入っている「キャッシャー」であること。

3 料理に合わせて飲み物を的確におすすめできる「ソムリエ」であること。

4 店を代表してお客さまに接することができる「マネージャー」であること。

5 つねに客席に目配りをし、お客さまを楽しませることができる「エンターテイナー」であること。

の五つを挙げています。

僕は修行を始める前、1のしっかりした料理人であることばかりを意識していました。

「普通に美味しい料理を作っていい場所に店を出せば、お客さんがついて、店も繁盛するんじゃないの?」と安易な考えを持っていました。

しかし、実際現場で修行を積んでいくと、美味しい寿司を提供するだけでは、鮨職人としてはまだまだだと思うようになりました。寿司が美味しくても、お客さまが満足しなければ意味がない。

特に、将来自分の店を出すとなると、経営者として店を切り盛りして行かなくてはいけないので、料理人としての要素以外の要素が重要になってきます。そこで、2〜5の文が自分の中で足りない部分として、しっくりきたわけです。

うまい寿司を提供しつつ、勘定も頭の中で行い、料理に合うお酒もすすめ、店全体に目を配り、お客さんを話術その他で楽しませる。それができて初めて一流の板前なんだと。

ここで挙げられた板前の備えておくべき条件は、これからも意識して現場でやっていきたいと思います。

会話の大切さ

お客さまを満足させるという最終目標に向けて、大事なのはお客さまとの会話だと述べられています。

特に一見のお客さまこそ、会話が大事で、気の利いた言葉で緊張をほぐしたり、好みを聞いたり、シャリの大きさを聞いたりして、会話の糸口をつかむのが重要だと。

ただ寿司を出すだけでは商売にならない。これも商売の秘訣の一つなのでしょう。

修行に入った時は、裏方でお茶や料理を運んだりすることが最初にすることだと思いますが、その時でも板前さんがお客さんとどのような会話をしているのか、注意深く聞いていると、その後の成長に影響すると述べられています。

僕は自分からあまり話すのが得意ではないので、耳が痛いですね…。しかし、なんとか場数を踏んで、克服していきたいと思います。

常連客も一見客も両方大切

「常連客の千円も、一見客の千円も同じ」「常連客も10年たてば半分になる」

この言葉が表しているとおりで、常連さんばかり大事にしていても、何かのきっかけで店に来られなくなったりした時に、お客さんが減ってしまうということが起きる可能性があります。

なので、一見さんも同じように大事にして、未来の常連になっていただけるように接客する。

一見、当たり前のように見えますが、現場だとやはりよく来てくださるお客さんを贔屓したくなるもの。でも、その気持ちを見せずに、一見さんも大事にしていくということですね。簡単そうで難しそうですが、常にそういう気持ちで働きたいと思います。

実際、久兵衛さんでは、間口を広めるために、ランチタイムには夜と同じ内容の献立をすべて2000円引きで提供しているそうです。(2017年執筆時)

大事なのはお客さまと従業員

商売の世界では「三方よし」という言葉があります。お客さま、従業員、取引先、の3者が得をするということが商売を長く続けるコツであるという意味ですが、私は本当に大切なのはお客さまと従業員の2つだと思っています。

「お客さまと訓練された従業員はどこにも売っていませんよ。」

この引用部分は本当にその通りだと思います。従業員あって、大きな店がうまく回っているので、それを経営者としては忘れてはならないと思います。自分が店を持った時は、忘れないようにします。

そのために、労働環境の整備・新人を辞めさせないようなケア・ムダを排除し経費を削減するなどを具体案として挙げています。

人材の育成と、チームとして店を押し上げ

先ほどの従業員を大事にすることに通じるかもしれません。

私が従業員によく言うのは「暖簾はお神輿みたいなもの」と言うことです。お神輿のように、つねに押し上げていないといけない。押し上げる努力をやめた途端に、その暖簾は色褪せ、お客さまから見放されてしまう。そうならないようにするためには担ぎ手を増やしていく必要があります。担ぎ手とは、言うまでもなく従業員であり、一人ひとりの力を高めることが暖簾を守ることにつながるのです。

従業員一人ひとりの力を高めるには、先ほど挙げた、労働環境やケアをしっかり行って、従業員のモチベーションを高める必要があります。

モチベーションが高い従業員は、接客も良くなるし、やる気もあるし、結果的に個々の影響力が大きくなるのかな、と個人的に思いました。

だから、経営者として従業員を大事にする必要があるんですね。

まとめ

第一章に入る前に、すでに学ぶことが沢山ありましたので、この記事はここで一区切りとします。

今回は第一章の寿司の基本に入る前に、前書き部分の板前の条件や経営理念について、読んで思ったことを書いてみました。

今後も、読んで勉強になった部分を取り上げて記事にしていきたいと思います。

それでは!

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